なぜ地方は衰退するのか

地方の衰退が叫ばれるようになって久しいですが、各自治体が色々対策を打ち出しても地方から人口が流出する一方です。

 

原因はなんでしょうか?

私が思うに、一次産業と二次産業の衰退及び三次産業への偏重が原因と考えます。

 

そもそも、なぜ日本列島の津々浦々ど田舎にまで人が住み着いたのでしょう?

それは、昔においては仕事(産業)といえは農業、漁業、林業などの土地に根ざしたものだったからです。

生産を増やすには土地が必要です。なので人々は日本列島各地に散っていき、土地が豊かであれば農村、魚がたくさんいるところには漁村ができたのです。

やがて工業(二次産業)が興隆してくると、大規模な工場や豊富な水、資源が必要になります。そのため、炭鉱があるところや、工場を建てる条件が整っている土地が栄えました。

 

これらの土地に根ざした産業を基盤に、流通業や小売り、サービス業が成り立っていたのです。

ところが高度成長期が終わると、これらの一次産業、二次産業より三次産業が興隆します。

三次産業は人対人の仕事であり、人口密度が高いほど生産性が高まるものなので、当然都市が発展し地方は衰退するのです。

 

現在の地方の衰退は、一次産業二次産業の衰退による必然なのです。

 

言い換えれば、産業が土地依存から人依存に変わり、人が多くいる都市に有利な構造になったということです。

衰退する自治体はだいたい観光振興を目指しますが、日本全国が観光で成り立つなんてあり得ないので、多くの自治体の衰退は止められません。おそらく縮小した一次産業と二次産業の規模に比して適正な人口になるまで人口流出は続くでしょう。

これらの現象は歴史規模の変化なので自治体の小手先の政策でなんとかなるものではありません。また、政府でさえも難しいでしょう。

 

東京一極集中を是正するなら、各地方の都市機能強化を図り、東京に流入する人口を各地方都市に振り分けることです。

少なくとも農村レベルの地方創生は現状不可能なので、大体都市圏で100万人規模以上の都市に集中して投資すべきでしょう。